旧町名を復活させたい ~佳名~


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か‐めい【佳名】
1.いい名。縁起のいい名。
2.いい評判。名声。
※国語辞典より

平成25年9月号で弊社本店がある相生の歴史を少しだけ紐解いた際に、相生とは①一つの根元から二つの幹が分かれ出ること。②「相生挿し」の略。③「相老(あいお)い」に同じ。④いっしょに生まれ育つこと。という意味があるとお伝えしました。
現在の相生1〜3丁目は昭和の大合併時に生まれましたが、相生自体の歴史はもっと古く明治9年に誕生しており、名付けられた理由は「縁起が良い」からだったようです。
7月号でご紹介した旧八日町は毎月八日に市が立ったことからそう町民に呼ばれ、そのまま町名として定着しましたが、旧町名には土地柄や歴史を表したものだけでなく、佳名が結構あるようです。

私が昔の町名を復活させたいと思い、このコーナーで取り上げている理由は

1.昔の町名はその土地柄や文化を表しているものが多く 歴史を感じることができる
2.歴史を知ることで町に対する愛情が更に増す
3.愛情が増せばいろんな人に来て、見て、知って貰いたい と思う
4.甲府市民一人ひとりが甲府市の観光大使になって県外 へ宣伝する


と期待しているからではありますが、実は単純に好きだからでもあります(笑)。
だってその時代を生きた人達のセンスや情緒を感じませんか?やはり昔の町名を復活させた〜い!


弊社本店が相生2丁目に移ったのは平成13年の7月で、それ以前は現在の中央2丁目、岡島百貨店の第二駐車場の西側にありました。その旧本店前の道路は「紅梅通り」という名が付けられていますが、これも旧町名が由来となっています。紅梅町は現在の岡島百貨店北側にあった町ですが、町が誕生する前は甲府城の追手門があったとのこと。この事実を知ったとき、中央線はなぜ甲府城内郭をわざわざ通っているのか?という以前からの疑問を思い出しました。
確かに鉄道は重要な交通手段でしょうし、中央線が開通してからは山梨経済も大きく発展したと思います。しかし、わざわざ文化遺産を壊す必要はなく、避けることはいくらでも出来たはずです。紅梅町も全く同じで、なぜ甲府城の正面玄関を壊してまで町をつくる必要があったのでしょうか?

紅梅町を造成した人物は、明治6年に山梨県令(今でいう県知事)として着任した藤村紫朗氏でした。当時は国から各県に対して「旧城を取り潰すように」というお達しが出ており、藤村県令はその意向に沿って甲府城を町民に解放していったようです。では、なぜ国は文化的価値がある城を取り潰すように命じたのでしょうか?
いろいろ調べてみたものの、明確な理由は分かりませんでしたが、当時は各地に当たり前のようにお城があった訳ですから、そもそも価値があると考えていなかったかもしれませんね。もし取り潰しになった本当の理由をご存知の方や資料をお持ちの方がいたら、マチコレ!編集部までご一報をください〜。
さて、この紅梅町ですが、甲府に市制が布かれた明治22年当時の戸数は約50戸で、260人程が住んでいたとのことです。


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こちらは大正〜昭和初期のもので、今のオリオン通りを南側から写しています。正面にあるのが甲府電力(現在の東京電力山梨支店)で、当時は桜町という町でした。
写真を見て感じる通り、当時は人通りも少なく閑静な住宅地だったということです。大正後期の地図では情報量が少ないため、細かい町並みは分かりませんが、よく見ると甲府電力の右上に幼稚園と書かれています。こちらは県内初の私立幼稚園である進徳幼稚園で、明治31年に紅梅町にて創設され明治37年に桜町へ移転したとのこと。現在は甲府市社会教育センターとなっています。
幼稚園の隣には税務署と書かれており、この当時から平成24年2月まで同じ場所に甲府税務署があったことが分かります。ちなみにこの桜町も佳名となります。どうやら甲府市中心部の旧町名の中で佳名なのは、甲府城を取り潰して解放された土地なのだと分かってきました。そしてその時に生まれた町名は、橘町、春日町、錦町、常盤町、花園町、弥生町などがあり、殆どの町名が現在では無くなってしまっています。


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こちらは昭和初期の城東通りで、右手に見えるのは岡島百貨店です。紅梅町の南側は常盤町という名称でしたが、今では丸の内1丁目になっています。佳名である「常盤」とはどういう意味なのかと思い辞書で調べてみると「永久に変わらないこと。また、そのさま」とあります。
当時の方達はどんな思いで名を付け、昭和の大合併で変わった町名に対して何を感じるでしょう?


  ittemiloci hechima
平成13年まで弊社本店があった場所には今「文化のるつぼ へちま」というお店があります。このお店のコンセプトの中には「甲府のまちに出るきっかけを作りたい」というものがあり、食べ物の持込みが自由だったり、出入り自由なプランもあります。ぜひ集合場所や休憩場所としてへちまをご活用いただき、旧町名に思いを馳せながら中心街を散策してみてはいかがでしょうか。

文化のるつぼ へちま
甲府市中央2-13-20 TEL.055-236-5651 営業時間:10:00〜20:00 定休日:木曜・日曜・祝祭日

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