旧町名を復活させたい~朝気〜


 2019年もアッと言う間に折り返し地点。梅雨が明けると、令和最初の夏がやってきます。
今年は昨年以上に暑くなると予想されますので、今のうちから熱中症対策を万全にしたいですね。
残りの半年。年初に立てた目標が達成できるよう、心身ともに健康を維持していきましょう。

 さて、2019年は、武田信虎公が川田町から躑躅ヶ崎へと館を移してから、500年目となる節目の年です。
 さまざまなところで行われている「こうふ開府500年」のイベントは、「2019年に開府から500年目を迎える」という事実を知って貰うことが目的では無く、節目の年を切っ掛けに「我が町甲府」の歴史を知り、誇りを持ち、「これからの甲府」について皆で考えていくことに重きが置かれています。
 そんな「こうふ開府500年」を盛り上げたく、今月も町名について調べていきたいと思います。\(^O^)/

 大正10年の地図を見ると、甲府城下町の右下にポツンと集落が見えます。(写真:1)
 北側の神社に寄り添うような集落には「朝気町」の文字が。朝気という町名の由来は、酒折宮と深い関係があります。
 2018年8月号「かいゆうほ 若彦路編」でご紹介した通り、酒折宮は日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が東国を支配した帰路の途中で立ち寄ったと、古事記や日本書紀に記されています。
そして、酒折宮に宿泊した翌朝、煙が上がるのを見つけた日本武尊がそこへ行ってみると、住民から朝餉(あさげ)を振る舞われたという伝説があり、朝餉が変化して朝気になったと言われ、古くは朝毛とも書かれました。
 日本武尊が朝食をとった場所と伝わっているのが朝気熊野神社で、大正10年の地図に記されている神社が、こちらと思われます。
 私は以前から熊野神社に惹かれ、和歌山へ行った際には、わざわざ時間をつくって熊野那智大社に参拝したことがあります。ですので、朝気熊野神社も以前からとても気になっていましたし、時間がつくれたら、県内にある全ての熊野神社に参拝しようと考えていました。
 前世で熊野神社と何か関わりがあったのでしょうか?(^_^)



 神社の案内板には、「当社は人皇第二代綏靖天皇(すいぜいてんのう)の大臣を務めた、土本毘古王(とほひこおう)が甲斐国を開拓した際に、この地域に設けられた村落の守護神として創祀されました」と記されています。
 甲斐国造の祖は、沙本毘古王(さほひこのみこ)と言われており、第九代天皇である開化天皇の孫ということから、人物的にも時代的にも矛盾が生じていますが、それはそれ、これはこれ。
 とにかく、日本武尊がここを訪れた時に、既に熊野神社がこの地にあり、今も同じ場所にあるという事実は凄いことですよね!
 ちなみに拝殿脇の御神木「御衣黄(ぎょいこう)」は、緑色の珍しい桜とのこと。


 さて、朝気と聞けば、朝気遺跡を思い浮かべる人も多いでしょう。
 昭和42年に甲府市立東小学校の校庭へ、下水管を埋める工事を行う際に発見されました。古墳時代と奈良・平安期を主体とする複合集落跡で、住居だけでなく河川の跡も確認されています。
 隣の熊野神社が創祀された時期と一致しますね。
 また、土砂の積もった様子からは、度々河川の氾濫に見舞われたことも分かっています。
 ちなみに、そのような土地柄のせいか、東小学校のグラウンドは一時的に雨水を溜める機能を持っており、沢山の雨水が河川へ急に流れ出ないように抑制しています。
 また、町を歩いていて、大きめの水路や河川が多いようにも感じました。こちらの水路は遊亀公園の池から流れ出ているようですが、江戸時代は用水を荒川の三ッ水門から引いたということですから、その名残でしょうか?大正10年の地図に見られる、天神川がこちらになるでしょうか?



 中世には朝気郷と呼ばれていたこの辺りも、江戸期には朝気村、明治に入ると稲門村の一部に。
 明治36年からは朝気町となり、大正10年の地図の頃は、世帯数53、人口237人の農業集落でした。
 その後、大正13年に着手された湿潤地の耕地整理の結果、宅地化が進んでいき、昭和26年には世帯数427、人口1,935人と大発展。昭和41年には、朝気町と東青沼町、池添町、善光寺町、里吉町、北大路、東3〜6条通の各一部で、朝気1〜3丁目となり、現在に至ります。

文:川上明彦


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