甲府のれん百年
6月号

甲府中心に残る温泉
古名屋ホテル

 車社会になって商業地が郊外へと広がり、街の様子も様変わりしたが、昔から甲府で結婚式といえば第一に古名屋の名前があがったものである。誰もが知る甲府の旅館の老舗中の老舗だ。
 古名屋発祥の地は鰍沢町だそうだが、国鉄中央線開通に合わせて、明治32年当地に旅館ののれんを下げたという。その後、太平洋戦争の甲府空襲で全焼したが、昭和21年に再建し、その後昭和40年、この地区9軒が共同で新しい温泉を引き、旅館や銭湯を経営した。談露館・古名屋・二幸・かげつ・オリエンタルホテル・東洋館・米倉旅館・萬屋旅館・芳の湯など昔懐かしい名前だ。現在は、談露館と古名屋のみにその温泉が残る。「旅行者はもちろん、ビジネス宿泊客にも、甲府中心部で自噴温泉のあるホテルとして知られ、多くの方に永くご利用いただいています」と芦川久雄総支配人は言う。
 昭和48年に現在のホテルを建設、政府登録国際観光旅館、日本ホテル協会会員となった。甲府市中心に、老舗「古名屋」の名前を永く残してもらいたいものである。

古名屋ホテル
創業当時の全景。
向って右の写真が古名屋本館。
横書きの文字は全て右から左に書かれている。

古名屋ホテル 
絵はがき

〒400-0032
甲府市中央1-7-15
電話・055-235-1122
年中無休

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