甲府の夏 食欲の夏
『食べる。』

1608甲府の夏は最高だ!暑さが日本一なら、ビールが日本一美味しく飲める街かもしれない。そうは意気込んでみても、やはり夏は食欲が落ちる。▼今回の本は、若い女性が一人で世界各地でその土地の文化を味わう旅行記だ。美味しいものばかりではなく、日本の常識とはかけ離れた驚きや気持ち悪い場面にも多々遭遇する。例えば、現地の食材をふんだんに使ったメキシコのタコスは非常に美味しそうだけど、一方では「ゲロのように酸っぱくて、ボロボロの雑巾のような色」したものが出る国もある。初めはまずいと思っていても、暫くして恋しくなってもう一度食べたくなったりするから人間は面白い。▼そういえば甲府中心街では何カ国の料理が食べられるのか。中国、フランス、イタリア、韓国、タイ、インド等々。最近はカレーの店が沢山出てきてカレーの街にもなってきた。夏にカレー。中心街で味わう世界一周。食欲が落ちた時、そんな企画も楽しそうだ。

『食べる。』
中村安希著 集英社文庫 500円(税別)