その22 「外から見た山梨」 前編

山梨県の出身ではないけれど、山梨で生活をしている女性は一体どの位いるのだろうか。今回はそんな県外出身者の女性5名に、外からみた山梨は一体どのよ
うに映っているのかを聞いた。「山梨生活歴」が実に幅広い座談会ではあったが、感じたこと、思うことに違いはあるのだろうか。

スタッフ・・・みなさん、山梨で暮らし始めて短い方もいれば、長い方もいらっしゃいますが、来て間もないころに、かかりつけの病院などはどうやって情報収集したんですか?

Fさん・・・お友達が誰もいませんでしたから、まずは働こうと思いました。そうすればまず土地を覚えるし、それからお友達ができる。
すると色々情報が入ってくる。

Kさん・・・私はインターネット。クチコミ情報とかチェックしてました。

Nさん・・・来てすぐのころは、主人の母に「働かなくてもいいけど、とりあえず友達できないと困るから」って言われて料理教室に通っていたので、そこで(情報収集しました)。(FさんとOさんを指しながら)この2人とは料理教室で知り合いました。…行っても結局、他愛もない話ばっかりで。先生に怒られるんですけどね(笑)。

Kさん・・・でもそんな他愛もない話ができる場所がなくて、淋しい思いをしている人が多かったりするから。料理教室に通ったりすることは大事だよ!

一同・・・(納得)

222.jpgスタッフ・・・方言はすぐに慣れましたか?

Tさん・・・上司に「なんのためにこっちにいるの?言葉を覚えなさい」って言われて。今はもう覚えましたけど、最初は通訳が必要でした。
自分が甲州弁を使っていても、山梨でタクシーに乗ると県外者だとばれちゃいます。地名を言う時にイントネー
ションが違うらしい。

Nさん・・・電話番号の言い方も、市外局番のゼロがすごく強調されている感じが違和感あったなー。

Fさん・・・最初すごく印象的だったのは「○○しとけしー」。
それが強く聞こえて、怒られている様な気がしましたね。

Tさん・・・荒っぽい感じがしますよね。

スタッフ・・・「行っちょし」っていうのも、行っていいのか、行かなくていいのかが分からないですよね。

一同・・・あった、あった!!

Fさん・・・お友達の家は、鍵を閉めないで外出するよ。

Oさん・・・そう!鍵を閉めないのが当たり前で。

Nさん・・・近所の人がいるから、閉めなくても大丈夫だって。

スタッフ・・・近所と言えば、おすそわけで玄関に野菜や果物を置いて下さることはないですか?うちのまわりはすごく多いんですけど。
玄関に置いてあるのは○○さん、庭先に置いてあるのは○○さん、って法則まであるんですよ。
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Kさん・・・ついたお餅や白菜を丸ごと1個いただいたり、有機栽培のトマトとかもあります。

Nさん・・・ありがたいよね。桃とか買うと高いしね。

Oさん・・・桃は硬いんだって山梨に来て、知った。

Tさん・・・りんごみたいで美味しいわよ。あと、ぶどうの皮と実の間に…

F・Tさん・・・ボケ防止!

Tさん・・・そう、ボケ防止になる成分があるからって言われたよね。

Nさん・・・果物が有名なのは知ってるんだけど、駅前に果物屋さんがないのがなー。だから電車で実家に帰る時とかに買っていけない。

Tさん・・・水晶やほうとうが有名、って言われても、どこでそれを求めればいいんだろう、って思います。

Kさん・・・県外から来た人に「じゃあ美味しいワインのお店連れてって」って言われた時に、(甲府の)中心にないのよ。
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Nさん・・・ワイナリーは沢山あるんだけどねー。

Kさん・・・だからもっと、県外から来る人をもてなせる環境を(甲府の)中心で作らないと。

スタッフ・・・あったとしても、宣伝不足だったりしますよね。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

方言を覚えるということは、地元以外の都道府県での生活に早く慣れるための必須科目であるようだ。
次号では更に山梨ならではの土地柄について語る。